その他
波紋
単発作品
題名:波紋 読み:ハモン 時間:20分~25分 ※男女、同性、不問のままでも〇 皆様の解釈によって演じていただいて問題ありません 概要:都会。逸見の部屋。ベランダ。線香花火 声を張らずに出来ます 演者さんの温度感によって感情をもっていっても、さらっとやっても自由です 人によって変わるであろうその瞬間の掛け合いをお楽しみいただけると嬉しいです 【表記説明】 【M】…モノローグ 【N】…ナレーション 【 】表記…状況説明(ト書き)のため声に出さなくてOK 【OKなこと】 ◾︎一人称変更◎ ◾︎語尾変更◎ ◾︎役の性別と演者様の性別が相違していること◎ ◾︎物語が大きく変わらない程度のアドリブ◎ ◾︎フライヤーへの作中セリフの引用◎ ◾︎配信媒体・裏劇にて使用/投げ銭有無問わず◎ ◾︎ボイス投稿◎ →投稿時は「作者名」「作品名」の表記をお願いいたします 【助かること】 ◾︎有料で観劇する状況 ◾︎有料チケット/プラン購入必須の配信 →事前にXのDMまでご一報ください 【NGなこと】 ◾︎共演者の方への過度な指導/不快に思う芝居・言動 ◾︎演者様への攻撃的な発言/コメント ◾︎劇中『別の』作品・『別の』作者のキャラクター名やセリフを入れること ※佐久間作品上演中に全く関係ないBという作者様の台本のセリフやキャラクター名をアドリブセリフとして入れることを指します 【最後に】 初心者の方もベテランさんも楽しく遊んでいただけると嬉しいです 作者名【佐久間ユタカ】表記にてXへポスト/メンションいただいたものは 出来る限りRT/いいねを押させていただきます ※上記に記載がない点で質問事項はお気軽にXのDMまで 本サイト投稿2026.05.05
配役
002
予想時間20 分
文字数6604 文字
登場人物
名前タップでセリフ抽出逸見ヨミ→ハヤミ。不問。幼馴染。都会に出てきたけど
松田ヨミ→マツダ。不問。幼馴染。田舎から出たいけど
本編
■作品詳細
題名→波紋
読み→ハモン
時間→20分~25分
役名→逸見(ハヤミ)/不問。松田(マツダ)/不問
※男女として、同性として、不問のままでも可
■以下本編スタート
逸見:絶対怒られる
松田:だからコレにしたんじゃん
逸見:妥協みたいに言うな
松田:それにバケツも用意した
逸見:そんなにやりたい?
松田:うん
逸見:花火を?
松田:線香花火ね
逸見:同じだろ
松田:違う
逸見:『しけってるかもしれない』花火?
松田:水を差すようなこと言わない
逸見:言いたくもなる、真冬のこんな時間に
松田:したいって言ったの誰?
逸見:言ったけど
松田:だから、ほらっ
逸見:嬉々としてこっちを見るな
松田:片道3時間かけてお届けにきたワケですよ
逸見:びっくりした
松田:そりゃね。親友の願いですから
逸見:親友?
松田:疑問形はおかしい
逸見:幼馴染のほうが、しっくりくる
松田:それもそっか
逸見:素直に言ったらどうだ
松田:へ?
逸見:わざわざ片道3時間かけて来た理由
松田:…都会に遊びに行く口実です
逸見:ですよね
松田:こうでもしないとさ~
逸見:相変わらずだな
松田:それと、面白いかなって
逸見:ベランダで線香花火すること?
松田:聞いたことある?
逸見:常識ある人間しか周りにいないんだ
松田:こんなに常識あるのに
逸見:どこからどーみても非常識
松田:冷静に考えて別によくない?
逸見:ダメじゃない?
松田:理由教えてよ
逸見:煙とか、匂いとか
松田:ベランダでタバコ吸う人もいる
逸見:火事とか
松田:バケツに水いれてる
逸見:…はぁ
松田:何で溜息
逸見:アイキューの差かぁ
松田:都会に住んでるからって調子のるな
逸見:住んでる場所関係ある?
松田:いいなー、都会
逸見:目的もなく住むもんじゃない
松田:でも憧れる
逸見:そうかな
松田:憧れって原動力になるんだよ
逸見:どうせクチだけ
松田:いやぁ、お金使うの得意分野でさ
逸見:物は言いよう
松田:ポジティブ思考なもので
逸見:うらやましい
松田:面接の時に聞かれるじゃん
逸見:志望動機?
松田:長所と短所のほう
逸見:あぁ
松田:あれ答えるの得意
逸見:『あなたの長所を教えてください』
松田:長所は楽しいことに全力なところです
逸見:短所は?
松田:楽しいと思うことに時間が掛かります
逸見:らしい
松田:お陰で田舎のまま
逸見:悲しい話?
松田:面白い話
逸見:笑っていいのか一瞬考えた
松田:気ぃ遣われるのキモイ
逸見:ライターかして
松田:あ。火つける?
逸見:おまえに
松田:やめろ
逸見:憧れたところで、住んでみると『こんなもんか』ってなるよ
松田:分かってないなぁ
逸見:なにが
松田:デリバリーに困らない
逸見:まぁ沢山あるけど
松田:コンビニだっていっぱいある
逸見:田舎と比べるのが間違い
松田:バカ、コンビニって凄いんだからな
逸見:そりゃ、なんでもあるけど
松田:素晴らしいよコンビニ
逸見:地元は歩いて20分のところに1つだっけ
松田:それがさ、最近増えた
逸見:まじか
松田:オープン初日凄かったよ。車の渋滞
逸見:想像できる
松田:新しい店出来るとね
逸見:オープン記念に安くなったりとか?
松田:おにぎり100円だった
逸見:最高
松田:他にもあったらしいけど忘れた
逸見:おばさん好きそう
松田:よく分かったね、父親引き連れて大量に買ったらしい
逸見:変わらないな
松田:火つけていい?
逸見:やめろ
松田:違う、花火
逸見:なんだ。びっくりした
松田:どっかの誰かさんと違うんで
逸見:さすがに始めるか
松田:10本あるから5回できる
逸見:まさかの全部?
松田:もちろん
逸見:めんど
松田:怠い顔禁止
逸見:…床、焦げないかな
松田:深いバケツにしたから大丈夫
逸見:2つもいる?
松田:くっついて花火したいタイプ?
逸見:殴っていい?
松田:ひとり、1つのバケツ。個室だよ?個室で線香花火って贅沢じゃん
逸見:普通はここまでしてやらない
松田:たまには普通から離れるのも、いいもんだよ
逸見:刺激に飢えすぎ
松田:いつもはさ、いい子ちゃんなわけじゃん、お互い
逸見:それはそう
松田:だからさ、たまには
松田:悪いこと、してみよ
逸見:…大げさ
松田:ライターも1人1つの支給でーす
逸見:始めますか
松田:かまえ
逸見:何その掛け声
松田:バケツの上に線香花火とライターをこうするんだよ
逸見:分かってるよ
松田:火つけたらバケツの中に差し込む
逸見:差し込む?
松田:火花散らないように
逸見:窮屈だな
松田:都会の花火って感じするでしょ
逸見:皮肉が効いた花火だ
松田:それじゃあ…点火
逸見:ん
【間】
松田:カニ食べてる時みたい
逸見:もっとあるだろ
松田:じゃあ、何考えてた
逸見:普通に…花火だなって
松田:同レベル
逸見:花火始めてカニは出てこない
松田:あ
逸見:あ
松田:落ちた
逸見:同じく
松田:話すと震える
逸見:もう1本やろ
松田:いいねぇ
逸見:早く終わらせたいだけ
松田:ツンデレだ
逸見:茶化すな
松田:4本渡しとく
逸見:ありがと
松田:火、ついて良かった
逸見:夏の残りだって言ってたっけ?
松田:そうそう。ウラセたちと集まってさ、バーベキューの後にやった
逸見:なんでコレだけ残ったの
松田:芸術は爆発だってふざけてさ
逸見:想像出来た
松田:線香花火やるような雰囲気でもなかったし
逸見:まぁメンツ的にそうなるか
松田:捨てるのも勿体なかったし
逸見:こいつもこんな所で消化されると思ってなかっただろーな
松田:最高の使い方してる
逸見:ダメだまた落ちた
松田:下手くそ
逸見:そっちも3本目持ってる
松田:バレてたか
逸見:この前テレビでやってたんだけど
松田:うん
逸見:先端を少しねじると長続きするらしい
松田:はつみみ
逸見:試してみよ
【間】
松田:しっかり楽しんでる
逸見:ん?
松田:学生の時から変わらない
逸見:そう?
松田:始まる前は怠そうなのに、誰よりも熱くなる
逸見:普通だと思うけど
松田:真面目なんだよなぁ
逸見:やりたくないことは断るし
松田:断られたこともあった
逸見:自分の意志で決めないと人の所為にしそうだから
松田:一緒に何かやる時全部楽しかったな
逸見:自分の意志で遊んでるから、そりゃ楽しむよ
松田:それが出来るっていいな
逸見:どうだろ
松田:だから都会に住めるんだろうな
逸見:関係あるか?
松田:田舎を出るって結構大変だと思う
逸見:大層なことしてない、いつでも戻れると思ってるし
松田:テレビの情報も役に立つもんだね
逸見:は?
松田:さっきより長続きした
逸見:…確かに
松田:でも最後までいかないなぁ
逸見:黙ってみる?
松田:カニね、カニ
逸見:んじゃ、4本目
【間】
松田:…無言しんどい
逸見:早すぎ
松田:面白くなってこない?
逸見:ふっ
松田:ん?
逸見:思い出した
松田:なになに
逸見:顧問のウエダに怒られた時
松田:2年の春?
逸見:そう、最低だったなって
松田:あれは仕方ないじゃん
逸見:ミラクルだった
【間】
松田:肩に
逸見:てんとう虫
【間】
松田:ははっ
逸見:しんどい
松田:はい、4本目もおわり~
逸見:次ラストか
松田:今言われて思い出したんだけど
逸見:うん
松田:河川敷でよく石投げしたじゃん
逸見:学生の時なぜかブームだったな
松田:石探しから始まってさ
逸見:懐かしい
松田:小さい石が水の上跳ねるだけなのに夢中になってさ
逸見:タダで遊び見つける天才だと思った
松田:こだわってたなー
逸見:そういう、くだらないこと一生懸命やってんの青春だったなぁ
松田:今もそうじゃん?
逸見:…たしかに
松田:変わらない
逸見:久しぶりにバカみたいなことしてる
松田:非・日常もいいもんだよね
逸見:気づいたら逆転してたかも
松田:日常と非・日常?
逸見:うん
松田:バカなことばっかしてたからなー
逸見:今は意味がありそうで、なさそうな時間ばっか
松田:息抜きになった?
逸見:なった。ありがと
松田:どういたしまして
逸見:ラスト始めるか
松田:その前にさ、禊していい?
逸見:みそぎ?
松田:ていうか、言ってスッキリしたいだけ
逸見:うん
松田:大分自分勝手だけどいい?
逸見:予防線、張り過ぎじゃない?
松田:いやぁ、緊張してんのかも
逸見:なに
松田:あのさ言葉とか選べないから正直に言うんだけど
逸見:知ってる
松田:就職で都会に出るって話し聞いてからずっとさ
逸見:うん
松田:いいなって思ってた
逸見:……うん?
松田:そう、思ってた
逸見:うん……え?おわり?
松田:大事なところは言った
逸見:田舎出たいの知ってるし。今更そんな
松田:羨ましいって、良くないほうのね。感情に気付かされた
逸見:どういうこと?
松田:自分にとってさ都会ってすっごく、離れた場所だと思ってたんだよ
逸見:実際、離れてるし
松田:気持ち的に?海外と同じ感覚。すっごく遠いところみたいな
逸見:あぁ、まぁ。分からなくはない
松田:憧れはあるけど、あくまで夢物語みたいな感じで
逸見:うん
松田:なのに、1番身近な奴がポンって行っちゃうもんだからさ
逸見:ダメだった?
松田:2つの気持ちなワケよ
逸見:どんな
松田:1つ目はこうやって遊びに来れる、ラッキー
逸見:いいこと
松田:2つ目は…自分も、出来るかもしれないって思った
逸見:いいことじゃない?
松田:同時に無理だって現実がしんどくてさ。家のこともあるし
逸見:あぁ
松田:だから思い知らされた。自分は今あるモノで幸せだと思ってたけど、凄く窮屈なんじゃないかって気づいた
逸見:うん
松田:今日のコレも嫌がらせ
逸見:窮屈な線香花火
松田:くだらないけど、そう
逸見:嫌がらせに思ってないけど
松田:好きとか嫌いの話をしたいワケじゃないんだ
逸見:うん
松田:誰かを憎んでるとか、環境とか自分の生い立ちに憂いてるワケでもない
逸見:そうだよな
松田:だってさ、少しでも幸せ見出さないとやってられないから
逸見:分かるよ
松田:自分で決めてココにいるんだって、思いたいんだ
逸見:同じだよ
松田:先週電話で話した時に『ここ数年花火やってない』って言われてマウントとりたくなった
逸見:田舎はいつでも花火出来るからな
松田:小さいことだし、情けないけど、いいだろって。田舎だって面白いだろってさ
逸見:お陰様で、実家に連絡入れようかなって思ってたよ
松田:単純だ
逸見:そろそろ帰省するかって
松田:効果があったんだ
逸見:でも、窮屈に感じたからじゃない
松田:…じゃあ、なんで?
逸見:広いところで花火やったら楽しいだろうなって
松田:……ははっ
逸見:それだけ
松田:なん、か…ほんと…
逸見:自分の意志で決めてここにいる。それは凄く恵まれてるって分かってる
松田:…うん
逸見:でもたまに分からなくなる。これで良かったのかって
松田:うん
逸見:おまえよりは自由だし。何言っても所詮って感じかもしれないけど
松田:別に、そんなことない
【間】
逸見:間違ってない
【間】
逸見:おまえは何も間違ってない
【間】
松田:……本当は、しんどい。自分の家族だって分かってる、けど
逸見:うん
松田:誰も悪くない。明るく、楽しく生きていきたい。だって暗かったらよりじゃん。自分くらいはさ、せめてさ
逸見:あぁ
松田:周りが羨ましい。自由になりたい。でも、夢見て何か変わるのかって考えないようにしてた
逸見:溜め込みすぎ
松田:クチに出したらダメな気がして
逸見:ふっ
松田:笑うとこあった?
逸見:いや、『肩にてんとう虫とまってますよ』って言った奴が言うことじゃない
松田:ちょっとしたことなら言える
逸見:そうだろうな
松田:水面張力っていうんだっけ
逸見:コップにギリギリまで水いれても零れないやつ?
松田:それ。なんか、ずっとそんな状態だった気がする
逸見:都会に行くって言ったことが最後の1滴になったワケか
松田:そこから広がるみたいにさ、頭の中で色んなことに気づいた
逸見:うん
松田:どんどん嫌な奴になっていく感じ
逸見:嫌な奴か
松田:良い奴ではないよ
逸見:変わらないと思うけど
松田:昔からこんなんだっけ?
逸見:周りが笑ってるなら自分を後回しにする奴だと思ってる
松田:あー…
逸見:今日みたいに
松田:今日のは嫌がらせだって
逸見:それが全部じゃないことくらい分かってる
松田:それは
逸見:嘘はつかない…いや、つけないじゃん
松田:分からないよ
逸見:そんな器用じゃないだろ
松田:ははっ。たしかに
逸見:思うんだけど
松田:うん
逸見:何かをキッカケに自分が今いる場所の狭さを知れるって、要はさ、視野が広がったってことだろ
松田:見える世界が広がった?
逸見:そういうこと。悪くない
松田:物は言いよう
逸見:おまえに言われたくない
松田:そっかぁ
逸見:そういうの繰り返してさ、自分の中にあるバケツが大きくなっていくんだよ
松田:うまいこと言うね
逸見:うっせ
松田:都会に住んでる奴は言うことが違う
逸見:田舎も良い所いっぱいある
松田:空気がうまい
逸見:水がうまい
松田:ははっ、都会には負けないところだ
逸見:空の広さとか、夕焼けの色とか、そーゆーの、恋しくなる
松田:片道3時間ですよ
逸見:近いけど、遠いんだよな
松田:年末年始も帰省してないの?
逸見:仕事って嘘ついてる
松田:なんで?
逸見:姪っ子たちにお年玉せびられるから
松田:しょーもない
逸見:何人いると思って
松田:分からなくないけど
逸見:そろそろ、5本目。やるか
松田:これ以上話してたらうるさい時間になるし、始めよ
逸見:角部屋だからまぁ、ギリ大丈夫
松田:関係あるかな
逸見:いつもは周りがうるさいから
松田:そうなんだ
逸見:夜中まで笑い声とか結構聞こえてくる
松田:寝れんのそれ
逸見:筒抜けってほどじゃないから
松田:そっか。都会も大変だ
逸見:やっと伝わったようで
松田:人の声が聞こえるなら一緒に住んでるみたい
逸見:その考えなかったかも
松田:だから寂しくないんじゃない?
逸見:そういうことでもないような
松田:じゃ、ラスト
逸見:なんか
松田:うん
逸見:願い事決めよ
松田:急に青春っぽいこと言う
逸見:久々に『タダで遊び』たくなった
松田:いいね
逸見:最後まで落ちなかったら
松田:叶う、ってことね
逸見:願い事、口に出さなくていいから
松田:危ない。言うところだった
逸見:こういうのは心の中だからいいんだよ
松田:神社に参拝に行く時と同じだ
逸見:そういうこと
松田:はい。決まった
逸見:最後に良いこと教える
松田:なに?
逸見:都会は人が多い
松田:知ってるよ
逸見:その分、孤独を感じる
松田:なるほど?
逸見:声が聞こえても、人とすれ違っても、他人よりもっと遠い他人だから
松田:当たり前じゃない?
逸見:いや。これは都会に住んだら分かる
松田:都会マウントだ
逸見:ははっ
松田:別にいいけど
逸見:寂しいもんだよ、ココは
松田:そういうもんか
逸見:人によるかもしれないけど
松田:いつでも帰って来ればいい
逸見:ありがと
松田:息が出来て楽しいって思える場所って人の数だけありそう
逸見:そう思う
松田:今日さ
逸見:うん
松田:線香花火、楽しかった?
【間】
逸見:楽しかった
松田:良かった
【間】
逸見:それじゃ
松田:うん
【間】
逸見:ラスト5本目
松田:ーーかまえ
【完】